世界で何か良いことすることが現代のマーケティング

会社や事業者が利益追求のために経営資源を集中透過するのは当然のことです。事業活動を展開することは収益をあげることに或る以上、市場のルールを逸脱しない限り避難を受けるいわれはないからです。しかし企業などが営利だけをひたすら追求することには、批判の目が向けられるようにもなっています。産業革命遺稿の目覚しい工業化や、最近ではグルーバルビジネスの発展やインターネットを基盤にした情報技術革命により、従来のマーケティングでは想定できないほどの利益を上げることが可能になっています。その結果、企業の営利活動がもつ病理も明らかになりつつあります。例えば企業の社会的責任が問題視され、CSR(企業の社会貢献活動)の重要性が叫ばれるようになりました。これは何もリアルな世界での活動に限定されたものではなく、オンラインマーケティングにおいても等しく妥当する考え方です。

ここでもう少しCSRの考え方が急速に普及した背景を分析してみると、まず指摘するべきなのは、会社や事業者の営利活動は多数のステークホルダー(利害関係人)の存在を無視して永続的な企業活動に取り組むことは困難になりつつあるということです。顧客はもちろん、株主や従業員、はては地域社会に至るまで多彩な横顔をもつ人々と積極的に信頼関係を構築することなしには、事業活動への理解はあつまらず良好な業績を期待するのも困難です。

CSRに注目が集まるのはこのような従来から存在していたプレイヤーのほかにも、昨今の社会的経済的事情の激変も付け加えることが出来ます。例えば産地偽装や品質管理データの改竄、経営陣が経営上の責任追及を避けるための粉飾決算、地球規模でみれば地球温暖化の進行や環境破壊などの事情などに、昨今のマーケティングを取り巻く状況の変化を垣間見ることが出来ます。

実際の企業による社会貢献活動のうち具体的な取り組みをあげると、ミネラルウォーターの大手ボルビックによるアフリカでの給水設備の建築や、ザ・ボディショップによる動物実験をなくすための取り組みなどを上げることができます。

オンラインマーケティングは、相対してコミュニケートをとる機会が少ない点で、従来のマーケティングとは異なる側面を持ちます。しかし本質において事業の場がインターネット上のオンライン空間というだけで、収益をあげるために様々なステークホルダーに配慮するべき事情に変わりはありません。オンライン上においても、企業の社会的責任を湖陵した事業展開が求められる時代になったのは確認しておく必要がありそうです。